天鏡湖を通してあることの重要性を教えてくれた
今回はいなわしろ新八景の一つに選ばれている天鏡台を訪れることにしました。
天鏡台(現:昭和の森)の天鏡とは、「天を映す大きな鏡のような湖」という意味があり、「天鏡湖」の異名がある猪苗代湖を一望することができる展望台との意味で、その名が付けられました。
天皇ご在位50年を記念し、昭和53年~55年にかけて森林公園として整備されました。
その際「天鏡台」改め、昭和の森と名付けられたそうです。
展望台から猪苗代湖を見てみると、確かに一望はできましたが......天鏡とは?と感じてしまいます。
遠くの景色が霞んで見え、お世辞にも「天を映す大きな鏡のような湖」とは言えない景色で拍子抜けしてしまいました。
がっかり感が否めませんでしたが、『この時期は遠くの景色が霞んで見える季節だから仕方がない、秋になれば違った景色が見えると思うから楽しみにしておこう』と思うことで、がっかり感を拭うことができました。
その時に、目の前の景色に対してただ感動するだけではなく、様々な背景や要因を考えることが大事な事だと改めて感じさせてくれました。
この景色が【感じたことに対して存分に考えること】の重要性を教えてくれた気がします。
奥会津の最奥 茅葺屋根の民家が残る小さな集落
福島県にある『茅葺屋根の家屋』と聞いて一番に連想するのは、大内宿でしょうか?
それとも前沢曲家集落でしょうか?
どちらも国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、有名な観光地になっています。
しかし観光地化されておらず、ましてや保存地区に選定されていない水引集落をご存じでしょうか?
水引集落は奥会津の最奥、栃木県の県境にもほど近い場所にあります。
観光スポットによくある看板もなく、そこにあるのは普通の小さな集落。
そしてそこに住んでいる人たちの当たり前の生活風景が残っていました。
畑作業をしている人や湧き水で洗い物をしている人、家の前に干されている洗濯物。
そんな田舎では当たり前の生活風景に心を惹かれました。
当たり前の生活風景なのになぜ惹かれるのでしょうか......
秋には外部からの参加者と集落の方たちが一緒に茅刈りをし、維持しているとのことです。
明治頃に全村が焼失する大火があり、現在の茅葺民家はそのあとに越後大工によって建てられたそうです。
秋の時期になったら、もう一度訪れてみたい......そう感じる場所でした。
モネの作品「睡蓮」を連想させる湖
福島県にフランスの画家モネの作品「睡蓮」を連想させる湖があります。
この湖は照南湖ビオパークと呼ばれており、旧国道115号線沿いに位置しています。
訪れてみると、周りには誰もおらず貸し切り状態。
そこには穏やかな時間の流れる幻想的な景色が広がっていました。
心ゆくまで風景を眺め撮影していると、風景を見ているのに、まるで絵画を眺めているような...そんな不思議な体験をすることができました。
現在はビオパークとして保護されていますが、どうやら昭和40年代初期までは天然のスケート場として利用され、その後温暖化の影響もあり凍りにくくなったこともあり、長年放置されていたみたいです。
昔も今も人々を楽しませてくれる観光スポットと聞くと、なんだかほっこりとします。
印象派の絵画のような景色がそこにはあった
福島県の水風景を探している際に、御瀧神社が検索に引っかかり、水風景を探しているのになぜ神社?と思いながらも調べてみると、印象派の絵画のような写真が出てきました。
その絵画のような美しい姿に魅了されて、次の日に足を運ぶことにしました。
御瀧神社の湧水は、「ふくしまの水30選」にも認定されている町指定天然記念物です。
期待に胸を膨らませながら訪れてみると、想像以上に美しく、神秘的な雰囲気を漂わせていました。
池の中には鯉が悠々と泳いでおり、木々の緑と池の水色のコントラストが幻想的でした。
鯉の姿も大きく、しっかり人の手が入り大事にされている場所だと分かると思います。
以前訪れた湧井の清水も透明度の高い清水でしたが、なぜここは青いのか......。
水質に関係しているのでしょうかね?
御瀧神社の湧水は、個人的にカメラと組み合わせることで魅力が増えるスポットのように感じました。
写真映えを狙いに訪れてみてもいいかもしれません。
菜の花香る三ノ倉高原の花畑
例年、賑わいを見せる三ノ倉高原は菜の花だけではなく、夏にはひまわり畑にもなる喜多方市きっての観光スポットです。
数年前に、ひまわりが咲く時期に訪れたことがあったので、せっかくだから菜の花畑の時期にも訪れてみることにしました。
訪れてみると、すぐに分かるほどの菜の花の香りが香ってきました。
ここはスキー場のゲレンデなどを利用しており、その広さは約8haと東京ドーム約二個分ほどの広さとのこと。
一面に広がる菜の花畑はまさに絶景と言っても過言ではないです。
あいにく撮影時期は見頃ではなかったみたいですが、それでも十分美しいと感じられるほどに咲いていました。
目に映る美しく咲く菜の花と香りがとても心地いい。
毎年訪れているという方いわく、土日は麓まで渋滞するからできるなら平日に訪れた方が良いとのこと。
ぜひ小さく可愛らしい菜の花に癒されに訪れてみてはいかがでしょうか?
湖底に沈む宿場に思いを馳せる
桧原湖の北部付近に位置し、水の中にある鳥居が印象的で歴史的な背景も楽しめる撮影スポットです。
とても印象的な鳥居ですが、風景の背景に明治時代に起こった、磐梯山大爆発が関係しています。
磐梯山大爆発の際に、付近にあった桧原宿場が水没することになりましたが、大山祇神社は高台にあったため、水没から逃れることができました。
いくつかの鳥居が沈んでおり、桧原湖の水位が下がる時期になると、また違った風景を見ることができます。
そのため、冬に訪れる人も多いみたいです。
湖底に沈んだ桧原宿をジオラマとして見ることができる、桧原歴史資料館が近くにあります。
大山祇神社の鳥居を見る前に、訪れておくと歴史的背景と風景の二つを楽しめることができると思います。
もし桧原宿が水没していなければ、同県にある大内宿みたいに賑わっていたのかもしれませんね。
少しの寂しさ
今は良くも悪くも便利になったなと感じる。
子供の頃は、どこに行くにも、知らない道、風景、建物にワクワクしていた気がする。
当時インターネットもあまり普及しておらず、何かを調べるにも本や人から聞くしかなかった。
知らないことが分かっていく充実感が何とも言えず楽しく一日の時間もとても長く感じた。
しかし今では、分からないことがあると気軽にインターネットを使って、すぐに調べられるような時代になり、あの時の充実感を感じられなくなってきた。
そのことに少し寂しさを感じる......。
気軽に情報を得られる時代だからこそ、知識じゃなく経験を得るために旅をするのかもしれない。
誰にでも共有できる世の中、自分だけの感動や風景などの経験を増やしていきたいと思った。
画僧 雪村周継が隠棲していたとされる雪村庵
三春町に、室町時代から戦国時代にかけて活動した画僧:「雪村周継」が晩年に隠棲していた『雪村庵』と呼ばれる桜スポットがあります。
雪村庵は三春駅の近くに位置し、雪村桜、雪村梅と名付けられたシダレザクラと梅の古木を楽しむことができます。
建物は後世に建てられたものらしく、庵の前には新しめな賽銭箱も設置されていました。
駐車場の案内板には、「聞こえるのは風の音だけという静寂に、竹林と樹齢数百年のしだれ桜が美しいコントラストを奏でる」と書かれています。
耳を澄ますと、風の音と野鳥の鳴き声、農作業をしているトラクターの音が聞こえてきました。
とても穏やかで心地よく、ここだけ時間の流れがゆっくりと流れているような気さえします。
裏手側には竹林が広がっており、桜の古木と竹林、そして建築物の組み合わせに侘び寂びを感じます。
あえて写真をモノクロに撮影してみても面白いかもしれませんね。
目で楽しみ耳で楽しめる魅力的なスポットだといえます。
見守ってくれているような優しさを感じる桜
今回は『日向の人待地蔵桜』に行ってきたのでご紹介します。
この桜は、「お地蔵さまが通る人を待ちわびているように見えることから、『人待地蔵桜』と名付けられたそうです。
確かに桜の下に佇む姿は、確かに誰かを待っているように見えます。
しかし先入観を無くして、菜の花に囲まれている様子を見ると待っているというよりも、優しく見守ってくれているようにも見えてきます。
今でも誰かをゆっくりと待っているのか、それとも桜を見に来た人たちを優しく見守ってくれているのか......
実際に訪れて色々と感じてもらえたらいいなと思います。